おかしな二人
大人になった今、やっと見えてきたことだった。
凌は、きっと寂しかったはず。
辛くて、酷な真実。
そして、六歳の年の差というものは、凌にとってはとても酷なことだっただろう。
一刻も早く自分が大人にならなければいけない、と年の離れた幼いあたしの存在がそう思わせていたはずだから。
「後悔なんか、しなくていい。あたしは、あたしで、ちゃんと生きてきた。すごく辛い目にあったとも思ってない。幸い、あたしの周りにはいい人が多かったから、いろいろ助けてもらってきたし」
「あかり……」
「そんな顔しないでよ、似合わないし。それに、犠牲だなんて言わないで。そんな風に、思ってもらいたくないから」
あたしは、残りのカプチーノを口に含む。
今度は、心がヒリヒリと痛んだ。