おかしな二人
「あー、びっくりした。気配殺して登場しないで欲しいわ」
ゴルゴ13か。
はたまた、必殺仕事人?
どちらかと言えば、接近してきたあたりは、仕事人だな。
もしも、ゴルゴだったら、遠距離から速攻で打ち殺されちまうぜ。
朝からくだらない思考は、止まらない。
水上さんは、シャワーを浴びてさっぱりすると、タオルを首に巻いたままテーブルに着く。
あたしは、無駄にならずに済んだスープやパンケーキをテーブルに並べていった。
「これ、旨いな」
キャロットスープを一口飲みこみ、笑顔を見せてくれた。
ああ、なんだかアイドルのようなスマイル。
あれ?
アイドルなんだっけ?
いや、違った。
ミュージシャンだよね。
……確か。
ま、いいか。
スープを褒められ、ご機嫌なあたし。
手間隙掛けて作った甲斐があるってもの。