おかしな二人
「俺は、必要ないってことか……」
けほけほっと空咳のようなものをして、凌が目を伏せる。
「いやいや……。そんな、必要ないとまでは、言ってないじゃない」
もう、極端なんだから。
「とにかく、あたしは今の仕事をやめる気も、現状を変える気もないの」
「明……」
あたしがきっぱりと言い切ると、寂しげな表情をする。
「凌だって、モデルの仕事があるんだし、あたしなんかにかまけてる暇はないはずだよ。今までだってそれぞれでやってきたんだし、凌が責任なんて重く考えるのは可笑しいよ」
「それは、違う!」
突然、凌が大きな声を出した。
あたしは、驚いてピクリと肩が上がる。