おかしな二人
「明にして、正解やったわ」
「え?」
何が?
このバイトのこと?
他にも候補がいたのかな?
そうだよね。
こんないいバイト、他にもやりたい人がいて当たり前だよね。
「ありがとうございます」
あたしは、小さくお辞儀をする。
すると、水上さんがジーっとあたしの顔を見る。
あれれ?
なんか、まずったかな?
もっと、こう、会釈しっかりの四五度を保ってお辞儀しろとか?
はたまた、三つ指突いてしっとり頭を下げろとか?
これは、ないか。
あっははー。
そんな思考とは裏腹に、焦りに少し早まる心臓は、バックバク。
どんな必殺攻撃が飛んでくるかと、若干身構える。