おかしな二人
誰もいないのはわかっているのだけれど、コンコンと一応ノック。
「入りますよぉ~」
小さく声を掛けてからドアを開けた。
寝乱れたベッド。
中途半端に開いているカーテン。
脱ぎ散らかされている部屋着。
それらを素早く整え片付けていく。
洗濯機にシーツと部屋着もろもろを放り込み、スイッチオン。
放り込んだら、あとは放っておけばいいなんて。
「あぁ、何て便利なドラム式」
おんぼろアパートに住んでいたときには、近くのコインランドリーへ行っていた。
毎回入れる数枚の一〇〇円玉が、なんと惜しかったことか。
しかも、終わるまでそこを離れられないおかげで時間がもったいなかったのよねぇ。
離れてもいいんだろうけど、極貧生活をしていたあたしの数少ない下着や服を盗まれでもしたら、ノーパン裸族生活にならざるをえないしね。