おかしな二人


二十階建ての十六階。
エレベーターを降りて、一番手前の部屋が凌の住んでいるところだった。

インターホンを押すと、鍵が解除される音のあとゆっくりとドアが開く。

「りょ……う?」

ドアに手をかけ中に踏み込むと、玄関の壁際に蹲る凌が居た。

「凌!?」

大きな体を小さくして、荒い呼吸を繰り返している。

「りょうっ」

あたしの呼ぶ声はなんとか聞こえている様だけれど、玄関へ来るだけで体力はもうないとばかりに動こうとしない。

あたしは、凌を抱えるようにしてなんとか立ち上がる。
ズルズルと引きずるように大きな体を支え、部屋の中に入った。


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