おかしな二人
真夜中を随分と過ぎた頃、額に手を当ててみると、熱が徐々に下がり始めているのがわかった。
「よかった。これなら大丈夫」
少し楽になってきたのか、凌の呼吸もリズムを緩め始める。
ほっと息を吐くと、目を開けた凌が掠れた声であたしを呼んだ。
「あかり……」
「ん?」
「クリスマスなのにな、ごめん……」
あたしは、首を横に振る。
英嗣の顔がちらついたけれど口にしない。
「熱は、下がってきてるみたいだから」
「うん」
「もうしばらくしたら、もう一回薬ね。その前に、おかゆも作るから、それ少しだけでも食べて」
「うん」