おかしな二人


「なっ、なんや。起きとったんか」
「ううん。物音がしたから……」

英嗣は、肩を貸すようにして哲さんを支えている。
酒気が漂ってくるところを見れば、どうやら泥酔しているようだ。

「哲さん……どうかしたの?」

あたしは驚きながら英嗣に手を貸し、哲さんをソファに横たえらせる。

同時に、寝室に踏み込んで大事なギターを手にし、英嗣たちに向かって振り回さなくてよかったと安堵の息を吐いた。

「打ち上げでしこたま飲んでこのざまよ。ほんまに、勘弁して欲しいわ」

呆れたような顔と、疲れたような顔を綯い交ぜにして、英嗣が酔って眠る哲さんを見下ろしている。
そういう英嗣もアルコールが入っているのか、少しお酒臭い。

「哲さん、大丈夫かな」

あたしが零すと、知らん、と冷たく言い切ったけれど、見捨てずにここまで連れて来るんだから、優しいよね。


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