おかしな二人
「明が俺の傍におる時点で、運気は昇り調子や」
「へへ。あたし、あげまん?」
「あほぉうっ! 女がそないな言葉を口にすなっ!」
驚いて体を離し、目を丸くしている。
意外と古風なのかも。
「ごめん」
首を竦めると、唇が触れた。
温かくて柔らかな感触に、幸せの鼓動が鳴り響く。
優しく触れただけの唇は、啄ばむように変り、そして深くなる。
大好きな人とするキスが、こんなにも幸せに満ち溢れたものだと、あたしは初めて知った。
少しして、ゆっくりと、惜しむように離れていくと、見つめあったまま互いに目じりを下げ、もう一度抱きしめあった。
幸せすぎて、どうにかなってしまいそう――――。