おかしな二人
居酒屋は、コンビニよりも時給がいい。
横の入口から入り、大きく声を掛けた。
「はよーございまーすっ」
「おっ。今日も元気だね。よろしく頼むよっ」
大将は、下準備をしながらあたしに負けないほど元気に返す。
サラリーマンが多いこの辺は、夕方過ぎになると大賑わい。
人の話し声と注文の声が入り乱れる店内を、忙しなく動きまくる。
次々に料理を運び、空いた席は素早く片付け、時々頃合を見ては奥に入り、山となった食器も洗っていく。
我ながらよく動く。
ふと時計を見ると、深夜まであと二時間ほどだった。
「もうひと頑張りだ」
自分に気合を入れる。
そこへ十人ほどの団体客があらわれた。