おかしな二人


気を取り直し、いえいえ、何でもありません。という顔をしてキッチンを去る私の背中に声がかかる。

「シャワー、使ってもええぞ」

さっきとは、打って変わって優しい声がかかる。

「あ、うん」

あたしは、好意に甘えバスルームへ向かった。

今日も、やっと一日が終わった。
ジャグジーの泡に体を休め、ぼけらーっと湯船に浸かること数十分。

「うぅ。のんびり浸かりすぎて、湯だった……」

少しぐったりしながらリビングへ行くと、既に水上さんの姿はない。
とっくにご就寝てことだ。


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