おかしな二人
ところで、あたしはバイトに行ってもよいのでしょうか?
未だ、不満顔の水上さんを窺い見た。
「なんやねん、その仕事。アホくさっ。自分でどうにもできん相手とつきあっとる時点で阿保じゃ。自分のケツも自分で拭けんような奴は、女と付き合う資格なんかないわっ」
仕事内容を話すと、水上さんはまるであたしがその阿保の依頼者みたいに怒りをぶつけて来る。
そんな風に怒られても、お仕事なんで……。
「とにかく。仕事なんで、行ってきますね」
いそいそとその場を離れようとするあたしの背中に、はよ帰ってこいやっ! と罵声が一つ。
慌てて振り返り、何度もぺこぺこと頭を下げ、いってきますっ、と水上さんの前を走り去った。