曖昧HONEY
――――――………
―――…
「……ナオ?」
1年前の夏。
夜の繁華街。
すれ違いざまに声をかけられて、振り返った私。
そこにいたのは…
「おー、やっぱりナオじゃん!」
にっこりと微笑む、派手な男。
金髪に近い茶色の髪。
ど派手なアロハシャツ。
一瞬戸惑ったものの、
明るすぎる街灯の下で、よくよく見てみれば…
「…龍兄ちゃん?!」
それは、見覚えのあるなつかしい笑顔。
「久しぶりっ!お前、全然変わってないのな。すぐわかったよ。」
たぶん、3年ぶりくらいだったと思う。
ご近所とは言え、生活サイクルがまるで違う私たちが顔を合わせるなんて稀で。
もうずっと、話すことすらなかったから。
それにしても…
「龍兄ちゃんは…ずいぶん変わったねぇ。」
その格好をマジマジと見ながら、思わず呟いてしまった私。
「そうか…?」
本人は、全く気づいてないみたいだったけど。
この場所にぴったりマッチしてるって言うか…風俗店の呼び込みかと思ったよ。
「ところで、こんなとこで何してんの?」