曖昧HONEY
「へぇ…。お前もそういう年になったんだ?」
男の視線の先にあるものを悟ったようで、
龍ちゃんは、にやっと楽しそうに笑った。
「そっか…そうだよな。イマドキの中学生だもんな、別におかしくはない…か。」
「ち…違っ」
否定したほうがいいのか。
このまま合わせたほうがいいのか…
「でもさ、さすがにここじゃ…あからさますぎって言うか…「違うからっ!」
考えるより先に、言葉が出ていた。
なんか、嫌だったんだ。
あれが“彼氏”だと思われるなんて…
「…え?」
「彼氏じゃない…って言うか、名前もよく知らないし。」
「…はっ?」
龍ちゃんの顔色が、サッと変わったのがわかった。
…言わなきゃよかった。
後悔しても、もう遅い。
「さっき会ったばっかりだから…」
「それって…」
だんだん、龍ちゃんの顔が険しくなっていって…
「か…帰りたくないって言ったら、つき合ってくれるって言うから…」
「何やってんだよ!」
怒声が響いた。
「お前、自分がしてることわかってんの?」