曖昧HONEY
結婚の理想と現実
その後は、
びっくりするくらいトントン拍子で進んだ。
何せ“幼なじみ”。
小さい頃から家族ぐるみのつき合いだったから。
私のお父さんも、龍ちゃんの両親も。
反対するどころか、むしろ大賛成。
「春になって、私が16歳になったらすぐに入籍する。」
気づいたときには、話は勝手に決まっていた。
年齢のこととか
生活のこととか
何よりお金のこととか…
いろいろ問題はあるはずなのに…
そこらへんが一切問題にならなかったのは、おそらく、龍ちゃんのお家が“お金持ち”だったからに違いない。
そのせいか、一般人とはちょっとズレた感覚を持っていたみたいで…
おばさんなんて、第一声が「あら、素敵。」だったくらいだから。
それから――
「花嫁修業」と称して、私はすぐに龍ちゃん家で暮らすようになって。
“結婚”して、2人で暮らし始めて…
龍ちゃんは、
私の“家族”になった。
“気持ち”には手付かずのまま、
“形”だけが整った――