曖昧HONEY
「……なんか、違う気がする。」
机に頬杖をつきながら、私はぼんやり呟いた。
自然ともれるため息。
「何?今度は何があったの?」
そんな私に気づいて、“一応”声をかけてくれた琴子。
目線は手元の本に置いたまま…なあたり、興味がないのは明白だ。
まぁ、いつものことだから仕方ないのかもしれないけど…
「昨夜だってさ、」
だから、私も勝手に話し続ける。
「龍ちゃんのバイトがお休みだったから、久しぶりにゆっくりできると思ったのに…」
一緒にご飯を食べて、いろいろ話したりテレビを見たり?
“2人だけの時間”ってやつを過ごしたかったのに…
「レポートがあるから、って。」
「…え?」
「明日期限だから、徹夜でやるとか言って…」
ものの数分で食事をすませたきり、部屋にこもって出てこなかったんだよ?
……しっかりと、内側から鍵を閉めて。
「“結婚”って、こういうものじゃないと思うの。」