曖昧HONEY
「はぁっ?」
今度は私の番。
何それ?なんで?
今って、そういう話だったっけ?
軽くパニックになっていると…
「いつから?」
「へっ?」
「その“好き”はいつから?」
「いつ、って…」
じりじりと、真剣な…と言うよりも怖い顔で龍ちゃんが詰め寄ってきて。
「最初から、かな…?」
逃げるのも、誤魔化すのも無理。
そう判断した私は、曖昧ながらも正直に答えた。…つもり。
「最初って…なんで、もっと早くに言わないんだよ?」
なのに、さっきよりも表情が険しくなってない?
「え…龍ちゃ…」
「俺が、どんだけ苦労したと思ってんの?」
「く…ろう?」
「何が“形だけ”で“愛情がない”だよ。それはこっちのセリフだっつーの。」
気がつけば…
近くの壁に追い詰められていて。
逃げ場は完全になくなっていた。
至近距離から、怖い顔で私を見つめる龍ちゃん。
いつになく近い距離に、ドキドキしている暇もなく…
「俺は、待ってたんだよ。
お前が…俺のことを好きになるのを。」