曖昧HONEY
「りゅ…龍ちゃんは、私のこと、好き…なの?」
ドキドキを抑えつつ、至近距離にある龍ちゃんの顔をなるべく見ないようにして…
私にとって、一番重要な質問をする。
いくら、私が龍ちゃんを“好き”だとしても、
龍ちゃんが私を“好き”じゃないなら、何の意味もない。
問題は何も解決してない。
でも…
「好きだよ。」
私の不安に反して、龍ちゃんは、あっさりと私の聞きたかった言葉を言った。
「好きじゃなかったら、とっくに手ぇ出してるよ。」
「え?」
「“愛情”がなけりゃ、お前の気持ちなんて考えたりしないし、この生活を守ったりしない。」
「……っ」
これは夢?
まぼろし?
私は…
「そもそも、好きじゃなかったら“結婚”してないから。」
じわっと溢れ出した私の涙を指で拭いながら、
「婚姻届出す前に逃げてるって。」
龍ちゃんは笑った。
今まで見たことないような、柔らかくてやさしい笑顔で。
そして…
「龍ちゃ…んっ!?」