曖昧HONEY
今年の4月。
20歳になってすぐ、俺は“結婚”した。
相手は、4つ下の幼なじみの女の子。
彼女もまた、16歳になったばかりだった。
つき合っていたわけじゃない。
ずっと好きだった、とか…そういうわけでもない。
ましてや、お決まりの“できちゃった”パターンでもない。
仲がよかったのは、本当に小さい頃だけだし。
最近はむしろ、疎遠になっていたくらいだ。
“好き”ではないけど“嫌い”でもない。
淡い初恋の相手。
たぶん、彼女も同じだったと思う。
だけど、
彼女には“誰か”が必要で、
俺は、その“誰か”になることができた。
だから、
俺は“結婚”することにした。
彼女を放っておけなかったから――
……なんて。
あくまでそれは最初だけ。
“形”が整ってしまえば、
自ずと“気持ち”はついてくる。
“同情”が“愛情”に変わるのに、時間はかからなかった。