曖昧HONEY
ナオをベットに倒して。
その上に覆いかぶさる格好で。
始める前に、俺は聞いた。
「え…?」
潤んだ瞳に、濡れた唇。
高揚した頬で、熱っぽく俺を見上げるナオ。
コドモだ、ってさんざんバカにしてきたけど…
その姿はもう、立派な“女”で。
その時点で、俺の理性は既に崩壊していたと思う。
なんせ、ナオと結婚…いや“婚約”したときから、禁欲生活だったし?
「だから…こういうの、どこからが“初めて”?」
言いながら、そっと、ナオの額に唇を落として。
瞼に頬に…ゆっくりと触れつつ思った。
ナオがつき合ってきたであろう“身体目当て”の男は、たぶんこういうキスはしなかっただろうな…
って言うか、キス自体しないのか?
…まぁ、いいや。
別に、なんとなく気になっただけだし。
「……っ」
唇を合わせて、深く入り込もうとしたとき。
びくっと、ナオの身体が震えたのがわかって。
「ナオ…?」
動きを止めて、思わずナオを見た…ら、
「全部…」
小さく漏れた声。
耳を近付けてよく聞けば…
「これが…龍ちゃんが最初。」