曖昧HONEY
「…シャワー、だったの?」
濡れた髪をタオルで拭きながら、バスルームから出てきた龍ちゃん。
上半身は裸だし。
ポタポタと流れ落ちる水滴と言い…無駄に“色気”を大放出、だ。
本人は無意識なんだろうけど、私の目には毒。
だって、
嫌でも“男”を意識してしまうから。
触りたいとか、
触ってほしいとか…
ドキドキが加速して、
変な気持ちになってくる。
…一度も、触れたことなんてないのに。
「今日は早いんだね?」
なるべく視線をそらしつつも、リビングに移動する背中を追い掛けた。
「え…ああ。これからまた出掛けるから。」
冷蔵庫から水を取り出しながら、素っ気なく答える龍ちゃん。
「えっ?どこにっ??」
慌てて詰め寄ったものの、
「バイト。」
あっさりと返されてしまった。
……そんなぁ。
「じゃあ、夕飯は?」
「いらない。」
「帰りは?」
「んー…深夜?」
「じゃあ、私待って「ナオ、」