曖昧HONEY
「待たなくていいから。」
私の言葉を遮って。
なぜか、怖い顔で私を見つめる龍ちゃん。
「お前は、寝てろ。」
「でも…」
「俺に合わせなくていいから。お前は、自分の生活を優先しろ。」
私の生活って…
「最近、授業中の居眠りが目立つんだって?」
「なっ…」
「今日は“繁華街にいた”ってことで呼び出しくらった…とか?」
「な…んで、それを…」
言ってないのに。
なんで筒抜けなわけ?
焦りまくる私を呆れたように見下ろしながら、龍ちゃんは続ける。
「俺は“卒業生”なの。知り合いだっているし、情報は普通に入ってくる。」
……あ、そっか。
「居眠りは、俺を待って夜更かししてるからで、呼び出しは、この前俺を迎えに来たから、だろ?」
「………。」
「俺のことはいいから。まずは自分の生活を安定させろ。」
龍ちゃんは、正しい。
私のことを思って、言ってくれてるのはよくわかる。
だからこそ、返す言葉は何もない。
でも…
これじゃまるで
“保護者”だよ―――