ラブ&コメ
「とりあえず座ろうぜ。」


私の腕を引っ張り、サトルは白いベンチに私を座らせた。


私が座った後、サトルも距離をおかずに、横に座る。


「さて…何か嫌な事でもあった?」


私の顔を見ずに、空を見上げ優しく尋ねてきた。


「ごめんね。久しぶりのデートなのに…。アイツだよ。私をこんなに苦しめているの・・・」


私もサトルを見ずに、地面に俯きながら答えた。

完全に声量がなく、かなり弱めな感じ。

「アイツ…。もしかして、夏草さんの事?」


その問いかけに、俯いたままうんと首を縦に動かした。
< 105 / 251 >

この作品をシェア

pagetop