DL♥ロマンティックに抱きしめて。
その言葉に続いて、聞いた内容はこうだった。
口の感覚が失われると、普段何気なく行っている事、例えば水を飲む時、ご飯を口にする時などの際に、今までどおりスムーズにはその行動が出来なくなる。
それが短期間ならそれ程精神的にも影響は無いのだが、一生の場合本人に大きなストレスを与えてしまうと。
『い…命に問題は無いのですか?』
『あぁ。それは言い切れる。命にはかかわらないよ。』
その言葉に、一気に緊張が途切れ、膝の上で握っていた手が徐々に震えていくのが分かる。
――よ…よかった…。
『…しかし。
先程話したとおり、それがいつまで続くのかは分からない。
娘さんである君にも多くの苦労をかけてしまうだろう。
…本当に申し訳ない。』