DL♥ロマンティックに抱きしめて。
『いや~。今日も素晴らしい処置ばかりでしたね。佐藤先生!』
『なぁ~に。俺にかかれば失敗なんてありえねーんだよ!』
―…佐藤清和。
あの日、奴の声が耳に届いたのは俺が明日の処置予定の患者データを見直していた時だった。
『佐藤先生には多くの患者が助けられてますからね!』
『あぁ。そーとも!にしても、明日の患者は確かほとんどが8番の抜歯だらけだったなー。つまんねー。』
確かに、親知らずの抜歯で来る患者は多い。
でもそれはあくまで、一般開業医にはお手上げなケースばかり。
『そうなんですか!?いやぁ、その処置なら適当に済ませても分からないですし、楽じゃありませんか?』
『ま、それもそうか。毎日リスク高い処置ばっか任せられてる俺にも、少しは楽していいって神様が言ってくれてるのかもなっ!』
ギャハハハハ!!