DL♥ロマンティックに抱きしめて。
「ん?」
左胸に響く振動。
そして、機械音。
それによって、過去から現実に戻された俺は、ソレを掴みあげた…が。
画面に表示される名前に一瞬にして違和感を感じた。
「…桐谷正吾。」
電話に出る気にはならず、そのまま机の上に放り投げる。
ふと時計に目をやれば、すでに10時前。
奴は8時にはいつも職場から離れるはず。
なのに、何故わざわざ連絡して来るんだ。
いつの間にか着信音が鳴り止み、あたりは元の静けさに戻った。
奴のニヤついた顔が脳裏によぎり、ストレスを感じずにはいられない。
苛立ちを抑えるため、煙草を掴み上げ、ライターを向けた。
――その時。
チャラララ~♪