DL♥ロマンティックに抱きしめて。

そんな私の勢いある返事にクスクスと笑った桐谷先生は、


「おおっ!意外。…決まりだね。」


そう言って数あるビールの中から比較的飲み易い物を注文してくれた。

当の本人は、私には聞いた事もない名前のお酒を慣れたように頼んでいたけれど、その姿がまたイメージ通りだ。

ふと周りを見渡せば、けして広くは無い店内。
席の数も多いほうではなく、でも窮屈にならないようスペースがきちんとある。

流れる音楽は心休まるゆっくりめなジャズ。


こんな場所、私には無縁だと思っていたのに…。




「…気に入った?」


「え!?」

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