DL♥ロマンティックに抱きしめて。


あ…。
そうか。私桐谷先生に連れられて…。


その一瞬の思考で目の前が鮮明に映ってくる。
が、すぐにまたフワフワした感覚に引き戻される。
それの繰り返し。



「…俺のオススメのお酒、気に入ってくれた?」



その言葉にコクンと首を動かすと、ふふっと笑って桐谷先生は言葉を続けた。



「…そんな目で男を見つめるもんじゃないよ?

…くみちゃんはホント子悪魔だね。」


ー……そんな目?

―……子悪魔?

先生の言葉が頭の中を何度も行き来する。

今にも体が崩れ落ちてしまいそうな、あるいは上に浮かんでしまいそうな不思議な感覚が私を襲って、離さない。

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