DL♥ロマンティックに抱きしめて。
自分でも聞きなれない程の低い声。
そんな俺の言葉にクスクスと笑い出し、ゆっくりと顔を上げ静かに話し始める。
「…何がです?」
…ふざけてるのか?
まるで”間違った事は何一つしていない”とでも言うようなその態度に苛立ちを隠せない。
ココに彼女がいなければ…
――きっと俺は奴に殴りかかってたに違いない。
そんな俺に心境に気づいたのか、さらに言葉を続ける。
「生憎、俺はこの後予定がありましてね。…蒲生先生、あとはよろしくお願いしますよ。」
カタンと音を鳴らせ奴が席を立つ。
そして、ゆっくりと足を進ませ俺の目の前を通過しようとした。
――その瞬間に耳に届いた言葉。
「…まだ何も話してませんから。ご心配なく。」