DL♥ロマンティックに抱きしめて。

その後、店を後にした俺は、ふらつく彼女を静かに助手席に乗せ、車を出した。


走り出す車。

目の前には様々な光が迫っては消えていく。



”まだ何も話してませんから。”



きっと、奴が言いたいのはあの一件。



―――救えたはずの”蒼井美里”。
それを救えなかった、あの頃の俺。



それを何故奴が今になって俺にちらつかせる。

そもそもあの場にいるはずの無い奴が、何故知っている?





…奴は何をしようとしてるんだ?


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