DL♥ロマンティックに抱きしめて。
先の読めない不安。
徐々に落着いてきた苛立ちが再度膨れ上がろうとした時。
―…ギュッ
微かな感覚。
その元をたどれば、
俺の白衣を握る小さな手。
長いまつげを頬に近づけ、静かに眠る彼女の顔を見ていると、次第に苛立ちが薄れるのを感じた。
と同時に胸にこみ上げる安心感。
彼女にもしもの事があったら。
そう考えただけで自分でも驚くほど冷静ではいられなかった。
”一生徒”として見ると一度は決めた覚悟。
それを意図も簡単に無にしてしまった目の前の君。
こんなにも胸が痛むのは、
あの一件には関係無い
”全く別の痛み”
だと俺は信じたい。