DL♥ロマンティックに抱きしめて。
コトッ
目の前に置かれるカップからは美味しそうな香りと白い湯気。
それがホットココアであるのには、おそらく間違いない。
「…よいしょっと。」
その声に目をやれば、私の目の前に座る見慣れない服装の存在。
「…が…蒲生先生…。」
「ん?」
ズズズと音を立て口に流れるソレは、きっと私の物とは違う以前実習先で見た先生愛用のブラックコーヒー。
それを飲みながら私に向ける視線は、やっぱり優しくて困ったようなそんな印象で。
「ご…ご迷惑をお掛けいたしました。」
頭を下げ、精一杯気持ちを伝える。
「…もういいから。何もなかっただけで本当に良かった。」