DL♥ロマンティックに抱きしめて。

勇気を振り絞って伝えたその一言。
”完璧”すぎる相手に何かをお願いするのがこんなにも難しいなんて。

そんな私の気持ちがきちんと届いたのか、
満面の笑みで微笑んだ先生。


「…いいよ。俺も、その方が楽しみ。」


…やった!!


お料理は得意と言える程上手じゃないけど、やっぱり好きな人には食べてもらいたい物。

溢れ出る嬉しさの中、心底喜んでる私にパサッと何かがかけられた。
見れば黒いエプロンで。


「…ごめんね。男用しか無くて。でも、汚れてしまってからじゃ遅いから。念のため…ね。」


「やっぱり少し大きいね」なんて言って前から抱きしめるように後ろの紐を結びだすから。


ち…ちかいよ。せんせ~…


エプロンぐらい…自分で結べるのに…。

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