DL♥ロマンティックに抱きしめて。

------*


「ごちそうさまでした。」


目の前で両手を合わせる。

そんな俺にフフと笑った彼女は、ホッとしたような顔。

きっと、相当緊張してしまったのだろう。


「ゆっくり食べてて良いよ。」


そう声をかけ、食後の一服をしに彼女の後ろにあるベランダのドアを開けた。

普段、一人の時は家の中でも気にせず煙草を吸うが、さすがに彼女の前ではそれをしたくない。

まだ肌寒く感じる空気が頬に触れる。
夜景を重視して決めたわけでは無いが、13階建てのマンションの最上階。

さすがに目に入るその景色に、今までも何度も感じてきたが綺麗だと素直にそう思った。




「…俊也さん。」

< 177 / 319 >

この作品をシェア

pagetop