DL♥ロマンティックに抱きしめて。

~蒲生side~

~蒲生side~

*

目の前には真っ赤な顔をした彼女が、荒い息を上げ、トロンとした目で俺を見つめている。

正直、彼女以外の女になら、奴が誰に手を出そうが気にもならない。

だが、話を聞けばそれは彼女の”親友”。

普段の彼女と接触が強い相手を選んだ奴の狙いがどうも引っ掛る。



――何も無ければいいのだが…。



彼女の息が整い始めたのを確認し、車から降りると、丁度奴が赤いハイヒールを履いた女性一人を連れて店の中へ入っていく姿が目に映った。

足がふらつく彼女を片手で支え、それに続く。

< 221 / 319 >

この作品をシェア

pagetop