DL♥ロマンティックに抱きしめて。
「…跡をつけてくるなんて、
君らしくないね。くみちゃん。」
その声が脳内に響き、ドクンッと嫌な音を立てて心臓が跳ねる。
き…気づかれてる!
背中に当たる仕切りの向こう側が一瞬にして怖くなる。
感じるはずの無い体温。
それなのに何故かジワリと背中に伝うその存在。
混乱する私に彼の言葉は続く。
「あ、心配しないで。彼女は今席をはずしているよ。」
…リサ。
お手洗いだろうか。
「その様子だと、彼と上手くいったみたいだね。」
クスクス笑う彼のその言葉が、やけに大きく耳に届く。
「ねぇ、くみちゃん。」
「は…はい。」
出来るだけ、小さな声で返事を返した。
そして彼は、言葉を続ける。