DL♥ロマンティックに抱きしめて。

耳に残るそのハイヒールの音と共に現れたのは、くみの友人と、彼女に腕を掴まれて歩く…桐谷正吾。



その瞬間。



「っ!?」



奴と目が合った。

と同時に、微かに笑いを浮かべたその口元が目に入り、二人の横を勢いよく通り過ぎた。


くっそっ!!!


嫌な予感しかしない。

きっと奴はくみの友人がトイレにでも行く時に、わざと俺に電話が来るようにした。


だとしたら…くみと…




バンッ!


「くみっ!?」


勢いよく開けた襖が音を立てた。

そして、目に映る姿に俺は一瞬時が止まるのを感じたんだ。







「しゅ…俊也さん…。」

< 234 / 319 >

この作品をシェア

pagetop