DL♥ロマンティックに抱きしめて。
耳に残るそのハイヒールの音と共に現れたのは、くみの友人と、彼女に腕を掴まれて歩く…桐谷正吾。
その瞬間。
「っ!?」
奴と目が合った。
と同時に、微かに笑いを浮かべたその口元が目に入り、二人の横を勢いよく通り過ぎた。
くっそっ!!!
嫌な予感しかしない。
きっと奴はくみの友人がトイレにでも行く時に、わざと俺に電話が来るようにした。
だとしたら…くみと…
バンッ!
「くみっ!?」
勢いよく開けた襖が音を立てた。
そして、目に映る姿に俺は一瞬時が止まるのを感じたんだ。
「しゅ…俊也さん…。」