DL♥ロマンティックに抱きしめて。
私の横で目をキラキラさせているちぃちゃんの様子からみて、きっとこの人がお気に入りの人で間違いなくて。
「始めまして。蒼井くみちゃん。俺、桐谷正吾(キリタニ ショウゴ)。」
そういう彼の顔は爽やかではあるけれど、何故か意地悪そうなその笑顔に無意識に感じる危険信号。
…桐谷正吾…?
…っ!
目の前の予想外の光景に瞬きが止まらない私を見て、クスっと笑う彼。
そして、次の瞬間けして高くは無い身長の私にあわせるように彼が前かがみになったかと思うと、
「リサちゃんから聞いてた通り。…クマみたいに可愛いね。」
私にしか聞こえないぐらいの小さな声で、耳元でそう呟いた。