DL♥ロマンティックに抱きしめて。

我慢ならない怒りがこみ上げ、目の前の奴の胸倉を力いっぱい掴む。


「…またですか。暴力反対って言ってるのに。」

「黙れっ!お前に…何がわかんだよっ!」


そう叫ぶ俺の目をじっと見る奴のソレは信じきれないほど冷静に感じる。
そして、


「ふぅ~…。ねぇ蒲生先生。」


一呼吸ついて奴は言葉を続けた。




「貴方がアシスタントとして5年前についた医師、


あれ、僕の父なんです。」



「…何?」




一瞬時が止まるのを感じる。



…父親…だと?



突然出てきたその言葉に、戸惑いを隠せない。
けれどそれはすぐに、違和感に変わり、より俺を混乱させた。



父親。

…なら、何故、苗字が違う?





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