DL♥ロマンティックに抱きしめて。
そんな俺の疑問を察したのか、続く言葉が耳に届く。
「義理のね。僕の苗字は母方です。
それでも”一応”あの人は僕の父親です。
だからと言って奴の肩を持つつもりはサラサラ無かったんですけどね。」
フフフと笑う目の前の人物。
その次の言葉を待って俺は黙っていた。
「…けれど、その頃、母が入院してましてね。
結構な治療費が必要だったんですよ。
それをあの時貴方が騒ぎを起こすから、
奴は職を失い、収入も途切れた。」
「っ!」
耳に届いたその言葉に衝撃を覚える。
…なるほど。だから…。
徐々に理解できた。目の前の奴が何故俺の過去に拘るのかを。
しかし、あれは…
「もちろん、それで困ったのはほんの一瞬で、俺もすぐにこうやって仕事が出来ましたしね。」