DL♥ロマンティックに抱きしめて。
あまり眠れなかったのか、目の下には薄っすらクマが広がっている。
その原因が、自分自身なのかもと考えると、居た堪れない気持ちになった。
「…ごめんなさい…。」
「…ん?いあ、学生で一人暮らししてるだけ偉いと思うけどな。」
まだ私が部屋の事を言っているのだと勘違いした先生は、優しい声でそう告げ、目の前のコップに口を付けた。
「ん。美味い…。」そう言って一瞬驚いた表情を見せる先生。
その少しの表情の変化でさえ、
安心に変わってしまうのは、どうしてだろう。
「…俊也さん。」
「ん?」
いつまでも
安心感に浸っていたい。
けれど、
それ以上に私たちを包み込む”気まずさ”や”不安”を今すぐにでも消し去りたくて。
恐怖を押しやり一呼吸ついた後、先生の目を見つめて言葉を繋いだ。
「…過去を…。
…5年前の先生を
教えていただけますか?」