DL♥ロマンティックに抱きしめて。

少し寝癖のついた柔らかそうな髪。

襟が上がったままのシャツに少しずれたネクタイ。

息を吐きながら汗が垂れるその横顔は、少し困ったようなそれでいて優しそうな雰囲気をかもしだしている。


「蒲生先生。昨日から病院にいる貴方が遅刻してどうするんですか。」

「はぁ。スミマセン。山田さん。実習生の皆さんも、ご迷惑をおかけしました。」


そういって、綺麗にお辞儀をする目の前の人。

案内係の山田さんの言葉、”昨日から病院にいる”って事は昨日から徹夜で集合時間まで少し仮眠をとってたに違いない。

それでも、たかが実習生の為にそこまで腰を低くしてる姿に、自然と悪い印象を受けなかった。


「それと、桐谷先生。貴方は、蒼井さんの担当じゃ無いはずです。自ら進んで行動するならきちんと担当する生徒に当たってください。」



――え?私の担当…じゃないの?



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