DL♥ロマンティックに抱きしめて。

ふいに感じる耳元の熱。

そして、


「…くみ…愛してる。」


響く甘い優しい声。

再度、体をきつく抱きしめられた時には、先ほどまでの不安が嘘のように消え失せるのを感じた。

と、同時に高まる胸の鼓動。

その音に、この存在をこんなにも必要としている自分自身に気づかされる。



「…俊也さん…。」


久しぶりに口にしたような感覚。

貴方の名前を呼ぶ声が、自分でもこんなに優しく感じるの。


そして、その声にゆっくりと離れる肩の温もり。


けれど。



「…くみ…。」



次の瞬間には、その温もりは倍の熱を込めて、唇へと移動した。



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