DL♥ロマンティックに抱きしめて。
「大学病院……っ」
!!
急に脳裏に過ぎったある記憶。
…ダメダメっ!
ココまで来たんだから。
覚悟決めなきゃ…。
ソレを振り払うように手に収まるビールの缶をググッと傾け喉を潤す。
すると、一瞬感じたモヤモヤがスーッと消えていくのが分かった。
今までの実習先である一般開業医院とは違い、内容はもちろん、環境的にも少し異なる部分があるらしい大学病院。
でも、それが何なのかは実習を始めてからじゃなきゃもちろん分からないわけで。
「よいしょっと…。」
ゴロンと横になり、お気に入りの抱き枕であるクマックマを枕に、スマホのアプリを起動した。
”お疲れっ!くみに話したい事があるの!明日学校休んだら承知しないんだからねっ!”
そんな親友から届いていたメッセージに笑いが漏れる。
”休むわけないじゃんっ!私も聞きたい事あるの。また明日学校でね!おやすみ。”
そう返事をし、そのまま枕元にソレを落とす。
普段は休みであるはずの土曜日。
それが1箇所の実習が終わる度に登校日として学校へ行かなくちゃいけない。
「…ふぅ~。」
思わずため息が漏れる。
実習開けなら尚更ゆっくり体を休めたいけど、そうもいかない。
明日に備え、次第にやってきた眠気に甘え、重い瞼を閉じた。