DL♥ロマンティックに抱きしめて。
それからどのぐらいの時間がたっただろう。
「ねぇ、くみ。」
未だ火照る体を休ませながら、先生の胸の上でその鼓動に耳を傾けていると、
優しく私の髪を撫でていた先生が名前を呼び、その声に顔を上げた。
真剣な瞳が私の目を見つめている。
「俺の我儘を言ってもいい?」
「え?」
…わがまま?
今まで一度も我儘なんて感じた事が無かっただけに、その一言がやけに可愛らしく感じてしまう。
自分で言ったにも関わらず、次第に恥ずかしそうに視線をキョロキョロし始める先生。
その姿にキョトンとしていると、
「…俺は、少しでもくみの側に居たい。出来れば…その…仕事中も…。」
仕事中?
「実習で俊也さんが私の担当じゃないですか。一緒ですよ?」
予期せぬ言葉に、はてなマークばかりが浮かぶ。
もう担当が変わるなんて事、きっと無いはずなんだけど…。
そんな私の言葉に一度目を見開いた先生。
更にはハァ~と大きく溜息をつき、俯いてしまった。
「ん~…そうなんだけど…そうじゃなくて…。」
え??
混乱する私に再度目を向け、困ったような優しい笑顔を向ける。
「卒業したら…一緒に働かないか?」