DL♥ロマンティックに抱きしめて。
「え!??」
驚きでつい口に出してしまった言葉。
大学病院で就職したいと思っていた以上、このお誘いは嬉しい限り。
更には大好きな人と一緒に働けるなんて…。
けれども、目の前の先生はそんな私の反応に何故か勘違いしちゃったみたいで。
苦笑いを浮かべ言葉を続ける。
「だよな…急すぎるもんな。くみにも希望の勤務先だってあるかもしれないし。ごめん…なんでもない。」
「忘れてくれ。」そう付け加え、チュッと私の額に口付けた。
そんな先生の背中に腕を伸ばし、ギュッと力を込めると、一瞬固まる目の前の体。
「く…くみ?」
「俊也さんっ!私、俊也さんと働きたいですっ!」
そう口にした途端、バッと体が離され、先生がこれでもかという程目を丸くしている。
その表情に私までも驚いてしまった。
けれど、パチパチと瞬きを繰り返す先生が可笑しくて。
フフフと声が出てしまう。
「私は元々大学病院で働きたくて。最初の理由は無事解決しましたけど…。蒲生先生と一緒に働けるなんて夢みたいで凄く嬉しいですっ!けれど、私に勤まるかどうか…」
そう。
一番の不安は、先生の足手まといにならないかという事。
一般医院と違う処置が多い中、それなりのプレッシャーを感じる事も事実。
ましてや、今の知識で”歯科衛生士免許”を取れるのかどうかも不安で。