DL♥ロマンティックに抱きしめて。

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それから月日が流れ、迎えた歯科衛生士国家試験当日。
場所は偶然にも、”セントラル大学”。

その校舎を見上げ、これまでの日々を思い出す。

忙しい合間に勉強を見てくれた先生。

時には厳しく、時には優しく一つ一つ丁寧に教えてくれた。

こっそり勤務先から持ってきた器具を見せてくれたり、自身が持っている模型を使って説明してくれたり。

何もかもが分かり易くて、学校の授業よりもスイスイ頭に入るその教え方は、流石現役ドクター。

付き合った事を唯一知っている親友のリサも加えて、勉強会を開いたこともあった。

けど、その時はほとんど、先生と私がリサにいじられて勉強どころじゃ無かったっけ。


「フフッ。」


溢れ出る思い出につい頬が緩む。


「ちょっと~。くみ。あんた余裕ね。」


そんな私に苦笑いするのは、他でもないリサ。


「余裕じゃないよ。もちろん凄くドキドキしてる。」

「そぉ?そんな風には見えないけど。まぁでも、やるだけの事はやってきたもんね。後は今の自分を信じるしかないか。」


「全力を出して無事合格するわよっ!」そう付け加え、バシッと私の背中を叩いたリサも、きっと緊張しているはず。
叩く力がいつもより強いのは、私にも気合を入れるためだろうけど…。


「リ…リサ…痛いよ。」

「なぁ~にへこたれてんのっ!あんたには蒲生先生がついてるでしょっ!あんなに立派な講師がいた以上、合格できませんでした~なんてなったら、先生の顔が台無しよ。覚悟しなさいね。」


!!!?

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