DL♥ロマンティックに抱きしめて。
「ちょっ…まって、余計に緊張しちゃ…
「ハハハハハハ!緊張して当然っ!でもまぁ、大丈夫よっ。しょぼいミスが出ないように落ち着いて解けば、くみなら絶対に大丈夫!先生も言ってたでしょ。小さいミスが命取りって。簡単だと思う問題程、慎重にね。」
そう言い残し、指定された席へと向かうリサの後ろ姿を見送る。
大丈夫。
リサが言ったとおり。
やるだけの事はやった。
先生の努力も無駄にはしない。
”くみ、とにかく落ち着いて一つ一つ丁寧にね。あと、試験終わったら連絡して。迎えにいく。”
…あ。
昨日の夜、別れ際に先生が言った言葉を思い出す。
今日が休みといっていた先生。
きっと仕事と、私の勉強を教えてくれていた事で疲れも凄くたまっているはずなのに。
先生、ありがとう!
絶対に合格してみせるからっ!
迎えに来てくれる先生に笑顔で会うためにも、頑張らなきゃ。
目の前に運ばれた裏面になっている用紙をじっと眺め、ゆっくりと深呼吸をする。
大丈夫。
「それでは、始めて下さい。」
係りの指示が出た瞬間、一斉に用紙を捲る音が部屋に響き渡った。