DL♥ロマンティックに抱きしめて。

「ん?」


突然部屋中に響いた大きめの声に再度目を向けると、一枚の紙をヒラヒラさせている。


「そういえば。彼女、通ったみたいね。ココの内定貰ったらしいじゃない。アンタのお気に入りの子と一緒に働けるなんて、今から何してやろうか考えてしまうわ。」


「…おい。やめてくれ。変な事だけはするなよ。」

「ちょっと。変な事って何よ。」


…コイツならやりかねないな。


明らかに何かを企んでいる笑みに更に溜息が出そうなのを堪え、目の前の携帯の画面を見ると、時刻はもうすぐ3時。

--そろそろ、試験が終わる時間だろう。

ギシッと音を立てイスから腰を上げると、手に収まる携帯電話をカバンに放り投げた。


「…んじゃ。俺はそろそろ行くから。」


それだけ伝え、部屋を出る為に彼女に背を向ける。
それを遮る様に声が響き渡った。


「…ねぇ。俊也。」


さっきのガツガツした感じとは違うその声に、顔だけを向ける。
目が合った途端にソレを逸らす彼女。


…ん?




「……何でもないわ。」


「…は?」


…なんなんだ?


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