DL♥ロマンティックに抱きしめて。
未だ動かない俺に痺れを切らしたのか、彼女が逸らしていた視線を再び俺へと向ける。
そして、
「…今、幸せ?」
予想もしない言葉を口にした。
…なんでそんな事を聞くんだ?
あまり見た事の無い、どこか真剣な視線に一瞬戸惑う。
色々疑問に感じたが、今思う素直な気持ちを正直に伝えようと思った。
脳裏には優しく微笑むくみの姿。
思い出すだけで、胸の奥に温かい物を感じる。
「…あぁ。凄く幸せだ。」
口にし、更にそう実感した。
こんな感情を与えてくれたくみに、感謝の気持ちが溢れ出る。
「…そう。それは良かった。ご馳走様。」
呟くようなその声に、ちょっとした悪戯心が芽生えた俺。
ニヤリとしてしまう口元をそのままに、問いかけた。
「お前の方が、どうなんだよ?」